メディカル・デバイス・コリドーの進化 支援対象の拡大と海外市場参入へ

2023/02/28 (火)

山梨県が、基幹産業である機械電子産業の優れた技術を背景に、県内企業の医療機器関連産業への参入を促進するプロジェクト「メディカル・デバイス・コリドー」推進計画は、令和5年度からセカンドステージに入っていきます。そこでは、予防医療、健康維持に対する需要の高まりを受け、デジタル・AI技術の活用やヘルスケア・健康食品などにも支援の対象を拡大していきます。また、国内外のスタートアップ企業との連携を進め、巨大な海外市場参入への挑戦も支援していきます。

先進国・振興国市場規模・成長マトリクス

※JETRO「世界の医療機器市場の動向」より引用

海外市場への参入にあたって「メディカル・デバイス・コリドー」推進計画では、海外市場に展開している海外メーカーへの提案力が高いタイプの事業を重点的に支援していきます。
① 製造(完成品のOEM/ODM受託)
② 部材供給 (パーツ型)
③ 部材供給 (装置設計・製造型 )
なかでも部材供給 (装置設計・製造型 )に関しては、山梨県ものづくり企業の得意とする分野であることから医療機器メーカーの課題解決に向けた自動化・省力化の提案を積極的に行っていきます。
 世界中の医療現場や医療機器製造・製薬現場において、できる限り人が関わらない自動化・省力化システムの導入が求められています。医療自動化の市場規模は、2021年の507億2000万米ドルから、2022年には568億9000万米ドルとCAGR12.2%で成長し、さらに、2026年には816億2000万米ドルに達すると予想される成長市場です。
 ※株式会社グローバルインフォメーション プレスリリースより
   https://www.dreamnews.jp/press/0000272688/

 近年の海外の事例では、医療器具の殺菌を自動化したロボットの導入例など多くの医療現場や製薬・医療機器製造現場においてオートメーション化が進んでいます。このような背景には、AIやIOTなどデジタル技術の進歩による機器性能の高度化、人間が製造現場に異物を持ち込む「交差汚染」リスクの排除、先進国では人口構成の変化から労働人口の不足(人手不足)等があります。このほか、医療費抑制の観点から製造コストの低コスト化へ対応も求められています。業務の効率と品質を向上させ、コストを抑制し、製品をより迅速に大量に製造するのに、自動化・省力化に向けたソリューションが必要とされており、今後も需要が伸びていくことが予想されます。

 山梨県内には、半導体製造関連で培った高い技術を有する企業が数多くあります。半導体製造工場は、あらゆる業界の中で最も自動化が進んでいる分野といえ、県内には工場を効率的に稼動するための、ロボット・生産設備・周辺機器・システムなどの導入サポートや、現場の競争力を高める各種省力化システムの提案を行う企業などが複数存在しています。
 髪の毛の太さ程度(数十ミクロン)の微細な物から重量物の生産を自動化する技術、検査工程を自動化する技術、クリーンルームによる自動組立ラインを有する企業など、これらの企業は、海外市場に挑戦するうえで有望な候補といえ、今後の医療分野における海外展開に大きな期待が持てます。
 
メディカル・デバイス・コリドー推進計画について
 「メディカル・デバイス・コリドー」推進計画は、山梨県の主力産業である機械電子産業の技術力を活用し、医療機器関連産業を山梨県の基幹産業にしていく計画です。
 当センターでは本計画推進のため、「医療機器開発」と医療機器メーカー等への「部材供給」の2本の柱で県内企業の医療分野参入支援を行っています。
 「医療機器開発」においては、県内企業が行う医療機器開発や販路開拓を支援するほか、山梨大学医学部や県内外の医療機関、大学と連携し、医師や看護師等の開発ニーズの収集を行い、県内ものづくり企業との医工連携による医療機器等の開発を支援しております。
 「部材供給」においては、医療機器メーカーとのマッチングにより医療機器向け部品の製造からODM、OEMによる医療機器製造受託、また製造ライン向け自動化・省力化設備および関連部品の製造受託を支援しております。
 「メディカル・デバイス・コリドー」は、2020年のスタートから3年、その成果が表れています。2020年3月に71社だった医療機器分野への参入企業は2022年12月末には146社に倍増しています。

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山梨県甲府市大津町2192-8
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