サポート7月
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Information magazine that assists in small and medium-sized enterpriseSUPPORT NET3事業承継に伴う税負担と対策1.事業承継での資産取得に係る税負担税負担への対策は計画的に行う必要があります 事業承継では、後継者が経営者から自社株式や事業用資産を取得することに伴い、贈与税や相続税が発生します。贈与税や相続税の納税猶予・免除制度など、事業承継の際に活用できる特例がありますので、しっかりと把握しておきたいところです。2.贈与税の概要年間110万円までの贈与ならば税金はかかりません 自社株式などの財産を生前贈与する場合は、贈与税が課税されます。ただし贈与税は、暦年課税として年間110万円の基礎控除を受けることができ、基礎控除額までの贈与については贈与税は課税されません。基礎控除額を超えた部分については10%〜55%の累進税率で課税されます。また、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産については相続財産に加算されます。〈生前贈与した財産について相続時に相続財産に合算する制度もあります〉 贈与税の課税方式には、暦年課税のほかに相続時精算課税制度があります。60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の子又は孫に対し財産を贈与した場合に選択することができます。この制度を選択した贈与財産については、特別控除額2,500万円の範囲内の金額には贈与税が課税されません。特別控除額を超える部分については、一律20%の税率で課税されます。将来、贈与者が死亡して相続が発生したときは、贈与財産を相続財産に合算して相続税額を計算し、すでに支払った贈与税相当額を相続税額から控除することができます。〈プラスα〉 相続時精算課税制度で相続時に合算される贈与財産の価額は「贈与税の価額」です。そのため、課税される価額という点では、相続時に贈与時より価額が上昇している場合は有利となりますので、将来値上がりが予想される財産について適用すると効果的です。【事業承継補助金の公募開始について】 Ⅰ型(後継者承継支援型)の2次公募、Ⅱ型(事業再編・事業統合支援型)の公募は、7月初旬に始まる予定です。詳細が決まりましたら財団HPでご案内いたします。* 山梨県事業引継ぎ支援センターでは、事業承継の悩みや課題に対し、無料で相談に応じています。 また、事業承継・引継ぎの課題を解決するため、税務・法務など民間専門家の派遣等による支援を行っていますので、お気軽にご相談下さい。TEL 055-243-1830 E-mail:yh-center@yiso.or.jpシリーズ「事業承継 第13回(事業承継マニュアル-10)」困ったときのシリーズ下請かけこみ寺 ~相談事例別アドバイス⑤~ このコーナーでは、下請取引に関する「かけこみ寺」に相談があった事例を参考に、中小企業の取引上の卜ラブルや疑問点の解決の基本的な考え方や留意点を解説します。今回は「下請代金支払遅延等防止法(下請法)関係」の「機械リースの強制」についての相談事例を己紹介します。利用強制の有無で判断QA社(資本金1,000万円)は、B社(資本金1億円)の製品の部品の製造を受託していますが、新製品の部品の発注を受けるに当たり、B社の子会社から製造機械のリースを受けるよう指示されました。 新製品の製造は、A社が保有する既存の機械に若干手を加えれば、製造可能であることは、B社の担当者も認めていますが、リースを受けないと新規の発注を受けられなくなるだけでなく、従来の発注も受けられなくなるかもしれないことから、受けざるを得ないとは思っていますが、何か良い方法はないでしょうか。AA社とB社の取引は、「製造委託」に該当し、B社の資本金は1,000万円を超え、A社の資本金は1,000万円以下(1,000万円)であることから、下請法の資本金基準(1,000万円)を満たしており、下請法が適用されます。本件は下請法の「購入利用強制の禁止」(法4条1項6号)に該当するかどうかが問題になります。 利用強制とは、事実上、下請事業者が利用を余儀なくされたか否かによって判断されます。この点、A社は、仮に、断れば、新製品の部品だけでなく、従来の部品の発注を失うかもしれないという状況にあるわけですから、実質的に選択の余地なくリースを受けることを余儀なくされていると考えることができ、B社の行為は、下請法の「購入利用強制の禁止」に該当する恐れがあります。B社に対し、このような行為は、下請法に違反することになるので、見直してもらうよう交渉してはいかがでしょうか。〈留意点〉まず、B社に対し、下請法違反であることを認識させることが必要です。もし、B社の担当者が下請法違反であることを認識しながら、子会社からのリースを求めてくるようであれば、再度下請かけこみ寺に相談してください。提 供公益社団法人 全国中小企業取引振興協会(全ぜんとりきょう取協)下請取引適正化の推進を目的に、全国48カ所に設置された「下請かけこみ寺」を中小企業庁の委託により運営。http://www.zenkyo.or.jp/[(公財)全国中小企業取引振興協会・日本商工会議所転載許可済]info

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