サポートネット 11月
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Information magazine that assists in small and medium-sized enterpriseSUPPORT NET4【研究の背景・目的】 RoHS指令など、環境に有害な物質から害の少ないものへの切り替えを促進する規制が世界各地で行われていて、電子部品の実装に使用されるはんだにおいても、従来のスズ鉛系のものから、鉛を不使用のはんだへの切り替えが行われています。そのため、従来から製造している製品も、信頼性を再度確認する必要に迫られています。 そこで、従来行われてきた直流抵抗値や導通検査による評価に代わる、非破壊・短期間で評価可能な信頼性評価手法としてインピーダンスの変化による評価手法を提案しその有効性について検証を行いました。【得られた成果】 加速劣化試験としてヒートサイクル試験を120℃〜-40℃、さらし時間各1分の条件にて行い、試験中に連続測定を行い劣化の調査を実施しました。 加速劣化試験初期においては、抵抗値は温度変化が大きい時に大きく変化し、温度変化が緩やかな時は値の変動が少なくなります(図1)。 図2は、はんだ接合部分のインピーダンスの変化を示したグラフですが、温度変化が大きい時に加え低温時にも急激に値の上昇が見られます。 加速劣化試験が1500サイクルを経過したころから初期時にはインピーダンスでしか見られなかった低温時での変化が抵抗値においても見られるようになります(図3)。これが劣化の初期状態と考えられ、定時抜き取り検査では測定することができなかった変化を捉えることができると考えています。【成果の応用範囲】 本研究で提案したインピーダンスの測定はネットワークアナライザのタイムドメイン機能を利用した測定であり、異常発生の有無だけで無く測定地点からの距離も分かるため、異常発生個所の特定への応用も可能であり、はんだ接合部の評価だけでは無くて、ケーブルの接合部の信頼性評価といった分野への応用も期待できます。シリーズ 役立つビジネスサポート【第22弾 公設試の技術紹介】【お問い合わせ先】電子・材料技術部 電子応用科 清水山梨県工業技術センター Tel:055(243)6111(代)  Mail:kougyo-denshi@pref.yamanashi.lg.jp山梨県工業技術センターの研究紹介(第8回)はんだ接合部の非破壊検査方法に関する研究〜はんだ接合部の信頼性評価が高周波測定で出来ることが分かりました〜図1 初期段階の変化(抵抗値)図2 初期段階の変化(インピーダンス)図3 1500サイクル付近の変化

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